グッドマン探訪

インタビュー - 筆談による



[インタビューノート] グッドマンのマスター鎌田雄一氏が毎月発行しているフリーペーパーには,ライブスケジュールと一緒にインタビューが載っています.インタビューを受けるのはグッドマンの出演者,聞き手はマスターです.前月にインタビューを受けた人が次の人にバトンタッチする形で,ひと月に一人ずつ紹介されていくようになっています.

先日,たまたまこのインタビューを受ける機会がありましたので,そのユニークなインタビュー方法をご紹介します.


8月の暑い日の午後,マスターは電車に乗って,はるばる私の家まで来てくれました.そうです.インタビューは,喫茶店や談話室などではなく,出演者の自宅で行われるのです.

そして,マスターが取り出したのは1冊のノート.普通,インタビューといえば,会話をテープレコーダー等に録音して,後日それを聞きながら原稿をおこすというのを想像しますが,このインタビューで使われるのは,このノートなのです.

まず,マスターが質問を書き,出演者はその答を書きます.書き終わって渡すと,マスターはじっくりとそれを読んで,次の質問を考えてくれます.インタビューはこの作業の繰り返しで進められて行きます.

[考えるマスター]

[こんなのでいいですか?] 書いている間,筆の進みがどんなに遅くても,マスターは何も言わずに辛抱強く待っていてくれます.これが嬉しい.妙なプレッシャーがかからないからです.

グッドマンで演奏しているときにも感じることですが,何かを表現しようとしている人間に対して,マスターは非常に寛大です.「好きなら納得がいくまでやってみろ」と言われているような気がします.ちなみに,その演奏をマスターが好きか嫌いかというのはまた別の話のようです.大人です.


マスターからの質問以外に,先月インタビューを受けた出演者からの質問があり,これに答えます.そして最後に,次回のインタビューのお相手を指名して,その出演者への質問を書いて終了です.

2時間半の予定を1時間も延長してもらい,インタビューを終えました.

グッドマンで演奏している時は,表現したいことはすべて音にして,その説明はしません.しかし,演奏に対する思いを実際に言葉にしてみると,書き足りないくらい沢山あることが分かり,自分でも驚いてしまいました.

お昼頃は天気が良かったのに,マスターが帰る頃はどしゃ降りの雨.もう少し早く終わっていれば濡れずにすんだのに...悪いことしたなぁ.

[話したいことが沢山]

[目次]


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