グッドマン・インタビュー

その67 (2000年4月)

鎌田雄一


 渡辺 昭司 (ds, perc)

1950年1月26日、東京、山谷に生まれ、下町育ち。
芝浦工大、軽音楽部、中退。
グッドマンには'99年9月より、鈴木達治gトリオのメンバーとして、毎月出演。4月は、中溝p 池上b とのトリオでも出演する。

渡辺さんは、どういう人脈なんですか? 確かアルトサックスの小川圭一さんと仲がいいんですよね。

20代の初め頃、福生で「サンゾク」という名のバンドをギター、ベースと僕でやっていて、「UZU」、「チキン」、あと花見会場などで演奏していました。その頃、近所にマジカルパワーマコという天才少年が住んでいて、半年くらい一緒にバンドを組み、レコードも出して、NHKの歴史紀行の音楽をやったりしました。当時、出ていた「ローリングストーン」という雑誌に記事が、のっています。

その頃、僕はJazzが好きで、あまり民族音楽的な事は、よくわからなかったのですが、マコの音楽から、そちらのことも、かなり影響を受け、又、マコが武満さんと知り合いだったこともあって、現代音楽なども聴くようになりました。

その後、マコのバンドで沖縄に行ったのですが、自分だけ、残って、カデナ基地で土方をしていたら、キャバレーバンドに、さそわれて、コザ市のクラブで演歌などの伴奏をやっていました。

1981年に福生に戻って、レゲェバンドを組んでいた時に、小川君がテナーサックスで参加し、それ以来の付き合いです。小川君は、途中で、ぬけたりしましたが、バンドは7〜8年位、続いたと思います。福生と、都内(原宿など)のライブハウスと地方のフェスティバルなどで演奏しました。

小川さんは、当時(今もですが)テナーサックスの高木元輝さんと交流があったから、渡辺さんも高木さんとは、いろいろ演ったんですか?

高木さんとは20才前半に知り合い、福生では、僕のハウスの近くに住んでいて、よく来てくれて、たまにサックスを吹いていったりしました。ついでに、ワイン、日本酒を、ちょっとだけと言いながら、mas mas beber y ベラーチョ。ライヴハウスでは、数回ほどしか一緒には演奏していないけど、レゲェバンドの中で演奏しても、彼のスタイルは高木元輝さん そのままで、すばらしい、うましかでした。いろいろなことを学んだことを思い出します。ある店でリハーサルをやっていた時、いきなり、「ファンクをやるぞ」と言うので、何から始めるのか考えていると、「適当に初め(原文まま)ましょう」と言って、ものの20〜30秒で終わり、「これ以上やると本番がおもしろくないから」と、「まず一合の酒」と笑顔で、僕に言ってくれて、何か心がリラックスしたのを覚えています。

今、グッドマンで一緒にやっている鈴木さんとは、どこで出会ったの?

福生でLiveをやる時、よく飲みに行っていた「鳥勝」という赤提灯で出合いました。彼は、まだ名古屋の大学を出たばかりで、福生に来たらしく、マンガのどくだみ荘のよしお君的生活をしていて、ギターが好きで好きで、一人さびしく、すごしていた時でした。鳥勝のマスターから、「変なレゲエ屋さんが、ライヴを演る時、飲みに来るよ」と、きいていたらしく、会えるチャンスを待っていたのかな.....それから、すぐ、レゲエバンドに参加したのダ!

彼は、当時、ケニーバレル、ウェスモンゴメリーなどのギタリストが好きで、「フルハウス」をよく聞いていました。
 自分は、レゲエバンド解散後、5年間くらい、音楽活動を中断して、ジャマイカなど外国を旅したり、家にこもったり。でも彼は近くに住んでいたので、一緒によく飲みにいったりしてました。その内、彼がバンドをやろうと誘ってくれて、山ちゃんというベースが府中の「ゴスペル」でライヴをしているのを、二人で見に行き、その後、三人にもう一人ドラムが入ってツードラムで「ピーク」という名のバンドを始めた。その頃はオーネットコールマンのプライムタイムの曲をやってました。彼は、佐藤允彦さんのランドゥーガオーケストラにも参加していて、のっている時でした。
 その後、ギターソロをやりたい、ということで、グッドマンに交渉に行ったのですが、グッドマンは、新参のギターソロだけは、ダメだということで、僕とのデュオそしてトリオということになって、今にいたるというわけです。

グッドマンでは、ドラムセットを基本にしたパーカッションですが、民族楽器のパーカッションもやったりするんですか?

ライヴハウスで使ったのは、一回だけですが、ハウスでは、アフリカの木琴、アンデスのバンブーなどひとりで、ドラムと一緒にレコーディングをして楽しんでいます。その内、ライヴでも使えたらいいな、と思い、日々練習にはげんでいます。???

では、最後に、坪井さんからの質問で
「@ サックスでソロ演奏することは、すごく特殊なことに思われますか?
 A ドラムソロという形態の音楽を、どう思われますか?
 B ジャズは4ビートと思いますか?」

@ 思いません。
A ドラム、パーカッション、ソロのライヴは、僕の夢で、又、一番したいことです。
B 思います、そして、思いません。

4ビートに、こだわらない、もっともっと自由に、そして内的な部分であると思います。
ジャズという言葉に、あまりこだわらず、あなたの心の中にある感性を大事にしていけば、すばらしい音が出るのでは。

僕は、いつも、その事を心に思い、自然の風景、人々のやさしさ、すべての動物から何と大きな事を教わっているかを感じてしまいます。ムチャス グラシアス ポル トド Muchas Gracias Por Todo!


渡辺さんちは、立川から青梅戦に入って、福生のひとつ手前、牛浜で降りて、10分くらい、横田基地の方に歩いた米軍ハウスでした。呼びりんを押すと、大きい犬が2匹走ってきて、ぺろぺろなめて歓迎してくれました。ボブディランからとったオスのボブと、ミヒャエルエンデの小説からとった、メスのモモの2匹です。部屋は広くて快適。でも、昔に比べるとハウスも随分、減ってしまったそうです。
次回はピアノの中溝さんの予定です。

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